1990年代になると、一気に冷凍食品の幅が広まってきます。
元々は「冷凍することで保存ができる」という概念から生まれた技術なので、保存というメリットを前面に打ち出した技術として人気を博しました。
特に、大量に食品を保持しておく必要があるレストランや喫茶店などにおいて、各食材、クリームやケーキ類、あるいはピザ、グラタン等といった日持ちしない食品を冷凍し、流通するという「業務用冷凍食品」は多くの利用者を生み、冷凍食品という技術は、食品市場において欠かせないものとなっていきました。
さらに、技術の飛躍的な進歩によって、それまでにはあり得なかった「揚げ物」や「焼き魚」「肉類」などの食品までも冷凍食品として生み出され、お弁当のおかずとしての市民権を得ていったのです。
その一方、根強い不信感が残されていたことも、事実としてありました。
食材を冷凍したからといって、ちゃんと品質が保存できるのか…という疑念は、比較的早く払拭できたのですが、「冷凍することが前提なので、あまり品質がよくない物を使用しているのでは」「他の調理で余った物ばかりを使っているのではないか」といった疑念は、常に持たれていました。
特に、食材に関しては輸入によって賄われている部分も多く、その点への不安は多くの人が抱いています。
実際、2000年代に入り、中国から輸入した冷凍ほうれん草から残留農薬が検出されたり、冷凍餃子から有害物質が検出され、被害者が出たりするなど、ショッキングな事件もありました。
しかし、これらの例外的な問題を除けば、冷凍食品という技術は安全面、衛生面に関しては全く問題がなく、それは科学的な観点からも保証されています。
重要なのは、その技術を使う人達、関わる人達のモラルということです。